診療報酬の未払いでお困りの動物病院の方へ

1 診療報酬の未払いについて

昨今、動物病院の診療報酬、治療費についての未払い、滞納が多くなっています。

支払能力があるにも関わらず、診療報酬、治療費を支払わないケースもあります。

動物病院の診療報酬について、獣医師法19条は、「診療を業務とする医師は、診療を求められたときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。」と規定しているところ(※1)、診療報酬や治療費の未払いは、「正当な理由」には該当せず、未払いがあっても、それを理由として診療を拒否することができない事情も滞納金額増大の1つの要因となっています。

※1 獣医師法19条と同趣旨の規定は、医師法19条、歯科医師法19条、薬剤師法21条にも存在します。

2 診療報酬請求権の消滅時効について

改正前民法においては、動物病院の診療報酬請求権については、「医師、助産師または薬剤師の診療、助産または調剤に関する債権」が3年間行使されないときは、時効により消滅するものとする規定(改正前170条1号)が適用され、3年間の短期消滅時効にかかるとされてきました。

しかし、平成29年の民法改正(施行は令和2年4月1日)に伴い、この短期消滅時効の規定は削除され、動物病院の診療報酬請求権も一般の債権と同様に、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間(又は権利行使可能な時から10年間)で消滅時効に掛かることになっています(民法166条1項)。

3 弁護士への相談と債権回収の方法

滞納者への再三にわたる請求にも関わらず、診療報酬、治療費の支払いについて、対応が得られない場合は、診療報酬の時効消滅を回避し、回収を実現するためにも、早期に専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。

動物病院における診療報酬の回収の方法としては、以下の方法が挙げられます。

①弁護士名での内容証明の発送

 → 支払期限を区切り、請求します。内容証明郵便による請求を行うことで、早期に支払が得られるケースもあります。

②支払督促の手続

 → 滞納者の住所地を管轄する簡易裁判所の書記官に対し、申立てを行います。書面手続による点と印紙代が訴訟提起の半額である点がメリットです。

③少額訴訟

 → 請求金額が60万円以下の場合に利用可能です。簡易裁判所に対し、訴訟提起をします。

   原則として1回の期日で終了し、通常の訴訟手続と比較して、手続が簡易化されています。

④訴訟提起

 → 滞納金額の支払を求めて、訴訟を提起します。

⑤仮差押手続

 → 滞納者の預貯金口座や勤務先が判明している場合等には、預金債権や給与債権の仮差押を行うことがあります。

   仮差押を行うことで、支払いが得られるケースもあります。

   ①から④と組み合わせて、⑤仮差押を行うことも考えられます。

 

 特に、早期に、①内容証明の送付という手段をとることは有益であると考えられます。

 動物病院の診療報酬、治療費の未払いでお困りの場合は、お気軽にお問合せください。

 

 

 

お問い合わせ

ページの上部へ戻る