未払賃金、未払退職金等を請求された方へ

1 未払賃金、未払退職金について

ある日、従業員から未払残業代を請求されるケースがあります。

未払賃金には、未払給料の場合もありますが、多いのは残業代が支払われていないとして、請求を受けるケースです。

また、退職金が未払いとして請求されるケースがあります。

 

2 未払給料、残業代等を請求された場合の対応

未払給料、残業代等を請求された場合の会社側が行うべき対応は、以下の通りです。

 

① 労働の実態を見極める

賃金は、労働の対価として支払われるものであり、労働があったといえるか否かがまずは問題です。

タイムカードや出勤簿等、勤務の実態を調査して、真に労働時間といえるかの確認がまずは必要です。

特に、残業代の請求の場合は、残業を行うだけの仕事量といえるのか、他の従業員の業務態様も問題となります。

 

② 管理監督者等にあたらないか

仮に、労働時間にあたるとしても、管理監督者等一定の者には、労働時間の規制が及ばず、その従業員が「管理監督者」に該当すれば、残業代は発生しません。

ただし、該当性は厳格に考えられています。

 

③ 請求金額の妥当性の確認

深夜労働や休日労働をした場合には、割増賃金が支払われます。

従って、従業員が請求している金額は、割増賃金を正確に把握しているか、過大な請求となっていないかの確認が不可欠です。

 

④ 消滅時効にかかっていないかチェックする

賃金の消滅時効は、2年間、退職金の消滅時効は5年間です(労働基準法115条)。

消滅時効にかかっている債権を承認してしまうと、時効が中断してしまうので注意が必要です。

 

3 弁護士が介入した場合のメリット

未払給料、未払残業代、未払退職金を受けた場合、未払が発生しているのか、その金額はいくらか、争う余地はないのか、消滅時効にかかっていないのかを、見極めることが大切です。

この判断は、一見簡単そうに見えますが、専門的な知見が必要となるものであり、冷静で適切な対応をするためにも弁護士に相談されることをお勧めします。

また、請求への対応を弁護士に依頼することで、お互いに冷静な話し合いができ、早期解決につながることがありますし、交渉や訴訟対応を自身で行う労力や精神的負担から解放されるメリットもあります。

 

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