債権回収の方法と特徴

1 内容証明

本人名義または弁護士名義で内容証明郵便を発送することが考えられます。

当該書面が配達されたこと及びその内容が証明されるため、普通郵便と比較して、請求に関する証拠化という面でメリットがあります。

また、弁護士名で内容証明郵便を送った場合は、債権回収の本気度を受領者に伝えることができます。

内容証明郵便に対し、何も対応しない場合、法的手続をとられる可能性があるため、スムーズに金銭の支払が得られることもあります。

内容証明郵便のみで回収が得られる場合には、コスト面から極めて有益といえます。

 

2 支払督促

金銭、有価証券等の支払を求める際に利用されるものであり、相手の住所地を管轄する簡易裁判所の書記官に対して申立を行います。

書面審査のみであり、訴訟のように審理のために出頭する必要はありません。

手数料は、訴訟の場合の半額となっています。

債務者が支払督促を受領してから、2週間以内に異議の申立てをしなければ、裁判所は債権者の申立てにより、支払督促に仮執行宣言を付さなければならず、債権者はこれに基づいて強制執行の申立が可能となります。

債務者が支払督促に対し、異議を申し立てることができる期間は、仮執行宣言が付されるまでです。

また、仮執行宣言の付された支払督促に対する異議申立期間は、仮執行宣言の付された支払督促を受領してから、2週間以内です。

異議申立期間内に異議を申し立てると、請求額に応じ、地方裁判所又は簡易裁判所の民事訴訟の手続に移行します。

 

3 訴訟

通常の裁判です。

請求金額に応じ、地方裁判所又は簡易裁判所に対し、訴訟を提起します。

訴訟の中で和解による解決も可能です。

判決が確定すれば、強制執行が可能となります。

 

4 少額訴訟

民事訴訟のうち、60万円以下の金銭の支払を求める訴えについて、原則として1回の審理で紛争解決を図る手続です。

裁判所は簡易裁判所となります。

証拠書類や証人は、審理の日にその場ですぐに調べることができるものに限られます。

法廷では、裁判官とともに丸いテーブル(ラウンドテーブル)に着席する形で審理が進められます。

判決のみならず、和解による解決も可能です。

判決や和解調書に基づき、強制執行を行うことができます。

 

5 弁護士に依頼することのメリット

行政書士、認定司法書士(簡易裁判所における代理権を有した司法書士を除く。)は、内容証明を受領した相手方と交渉したり、訴訟の代理人となることができません。

また、認定司法書士であれば、限度額140万円の範囲内の債権回収、訴訟は対応可能ですが、弁護士には、金額の制限がありません。

債権回収を行う上では、複雑な案件にも対応可能であり、交渉や訴訟を行う上で請求金額の制限もない点が弁護士へ依頼するメリットといえます。

 

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